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【BEASTARS(ビースターズ)】動物版の青春ヒューマンドラマ漫画の感想、一部ネタバレ含む

1.草食動物と肉食動物が共存する動物版人間社会

2018年に第11回マンガ大賞を受賞したことで一躍名を馳せたのが板垣巴留による「BEASTARS(ビースターズ)」です。
草食動物と肉食動物がそれぞれ人間のような立ち方や振る舞いで人間社会のような世界で共存しながら生きていく漫画となっており、ディズニー映画「ズートピア」同様の社会風刺を描いているのではないかと話題を呼びました。

物語は、一匹の草食獣であるアルパカのテムが夜の校舎で一匹の肉食獣に襲われ殺されてしまうシーンから始まります。
そもそも肉食獣と草食獣が共存するにあたり、肉食獣に課せられている課題は「肉食をしない」ということ。肉の代わり、食事はたんぱく質が豊富な大豆を中心とした菜食となっており、肉食獣が草食獣を本能のままに襲ってしまうことなど「ありえない」世界となっています。
しかしそんな世界で、草食獣が肉食獣に殺されてしまう。この事件を機に草食獣から肉食獣へ向けられる偏見の眼差し、様々な面で抑圧された肉食獣の苛立ち、そしてそんな不均衡さをはらんで成り立つ世界の歪みが徐々に描かれていくのがこの「BEASTARS」という漫画なのです。

2.ハイイロオオカミの主人公

「BEASTARS(ビースターズ)」で主人公となっているのが、ハイイロオオカミでレゴシという名前の高校生のオスオオカミです。オオカミである彼は肉食獣の中でも体格が大きく、恐れられやすい存在。
そんな眼差しを受けながら育ってきた彼の特徴は、良い意味でも悪い意味でも「鈍い」ということ。草食獣からの恐れの眼差しにも、理不尽さに憤る肉食獣の同志の怒りにも、彼はまるでどこ吹く風とでもいうかのように気付かずぼんやりと生きてきました。

そんな彼が、ウサギの女生徒に対し本能のまま動いてしまった夜をきっかけに徐々に変わっていきます。
草食獣であること、草食獣の中でも特に力が弱く捕食対象にされやすいウサギであること、ウサギの中でも凡庸な種別であること、さらにメスであること。何重にも折り重なった弱者属性に苦しむウサギのハルに対し、好意を持つレゴシは肉食獣としての自覚を持つとともに社会に対しての不審をゆっくり抱き始めます。

物語はさらに、レゴシの属する演劇部の部長であり「ビースター」を目指すシカのルイにより何層もの厚みを見せながら展開を続けます。
表面上彼らは動物の姿ですが、繰り広げられる問題はまさに人間社会に見られる問題そのものです。レゴシの存在が果たして社会にとって救いとなるのか、ぜひ見届けてみてください。

3.2019年10月にアニメ化

人気はとどまることを知らず、2019年10月にはフジテレビでTVアニメ化されることが決まっています。
BEASTARS(ビースターズ)を知らない人が見てもきっと楽しめるアニメになると思うので、ぜひチェックしてみてください。
https://bst-anime.com/

BEASTARS(ビースターズ)は2019年10月にアニメ放送開始!