義姉妹百合マンガ「citrus」の2巻では、謎めいていた芽衣の中身が少しずつわかりはじめます。
物語の核でもある、2人が義姉妹になった理由＝親の再婚事情もちらほら見えてきて、物語自体に深みが！
特に感慨深かったのは、柚子が芽衣のことを本気で考え始めてきているところですね。
最初は「いきなりキスされてパニック」状態だった柚子が、芽衣と真剣に向きあって彼女のことを考える姿は心を動かされます。
好きな人のために自分の感情を殺して行動ができるなんて……柚子はギャルの中身とは違って、かなり熱い人間のようです！
「citrus」のこれまでのあらすじ
芽衣と幼馴染だという生徒会副会長の桃木野姫子の登場で、柚子は芽衣との距離を中々つかめずにいた。
しかし、小さい頃から芽衣と一緒だったという姫子は柚子の知らない芽衣について話し出す。
自分がいかに芽衣のことを知らないか、はっきりと自覚した柚子は、芽衣のことを知ろうとする。
姫子と芽衣、柚子ででかける計画が立てられたのだが、その日は柚子が前のお父さんと会う日だった。
「芽衣にも紹介したいから」と何も知らない芽衣を連れ出す柚子。
柚子が芽衣に前の父親を紹介したことで、芽衣も自分の父親について教えてくれる。
世界を飛び回る父親との確執について知った柚子は、今の芽衣に必要なものについて真剣に考え始めるのだった。
正反対の2人の距離が縮まり始める、citrus 2巻！
「citrus」の感想、見所：関係性が見え始める2巻！
どうなるかと思った1巻の終わりから、話は上手いこと進んでいきます！
2巻はキスの回数こそ減りましたが、柚子と芽衣の距離は良い感じに縮まった気がしますね。
親の再婚でいきなり義姉妹になった2人にはまだまだ知らないところがたくさんあります。
それをちょっとずつ知っていく展開がたまらなく良いです。
恋愛漫画にありがちな急な展開がcitrusには少なめです。（急にキスしたじゃないか、とかは置いておいて）
「出会って、すぐに好きになる」
――もちろん、そういう恋愛もあるでしょうし、運命的かもしれません。
citrusが描くストーリーは、「なんにも知らない正反対の2人がぶつかり合いながら惹かれていく」という焦れったい部分です。
1巻はキャラクターを際だたせるためもあり、息つく暇もない展開の連続でした。
それぞれのキャラクターをはっきりさせたのが前巻だとしたら、今回はその人物たちの関係性にスポットライトがあてられております！
謎ばかりだった芽衣の性格（なんであんなにクールなのかとか、学園のことを考えてるかとか）も、少し理由がわかり始め、それにつられて柚子の真っ直ぐな性格がさらにヒートアップしています。
柚子が芽衣のことを真剣に考え始めたのが、ひしひしと伝わってくる巻です。
特に目を引いたのは、やはり「父親の話」のところでしょう。
芽衣が柚子に対して父親との確執を話す場面がこの巻には入っております。
それを聞いた柚子が「今の芽衣に必要なのは恋人じゃなく、家族だ」と感じる部分は響くものが。
柚子自身は、恋愛感情として気になり始めている相手に対して、必要なのは家族って……。
義姉妹百合マンガだからこそ起こる葛藤ですね。
一応、姉であり、芽衣自身に惹かれている柚子は芽衣のために様々なことを考え始めます。
これが2巻後半部分の、芽衣の父親登場シーンで生きてくるのですが、それはぜひ見て確かめてほしい部分です！
さらに2巻では副会長の桃木野姫子を始め、ラストで意味深なセリフを呟いて消えていく「まつり」というキャラクターも登場します。
姫子のおかげで、一気に恋愛要素が高まったように思えますし、まつりは柚子のことが好きそうだし、これからが更に楽しみでｓね！
芽衣のことを幼馴染として支えてきた姫子は、柚子にとっては最大のライバルになりそうです。
まぁ、芽衣が少しも気にしていないので大丈夫だとは思います（笑）
それに対して、まつりはまだ何も読めないキャラクター。
3巻での活躍が期待されますね！
「citrus」総評：百合マンガとして物語が動き出す一冊
どうなることやらと思った１巻でしたが、２巻になり一気に恋愛要素が深まった気がします。
１巻では、どちらかというとキャラクターの破天荒さだけが目についた部分もありましたから。
なんでそういう性格になったのか、なんでそういう行動をしたのか。
徐々に分かり始め、人間関係も動き出した２巻は百合マンガとしてのスタートを改めて感じさせてくれます。
中々素直にイチャイチャしてはくれない２人ですが、その分、ちょっとした場面で尊さを感じることができますよ！
3巻では新キャラの登場で、また波乱がありそうです。
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