漫画・アニメ・映画

おすすめ百合アニメ作品とアニメ化して欲しい人気百合作品15選!

百合アニメは百合好きだけが見るものでしょうか?
私は違うと思います。

ジャンルとして百合が浸透してきた昨今、百合アニメの需要も高まりつつあります。
女の子が数多く登場するアニメや女の子同士の恋愛を扱ったものも放送されるようになりました。
しかし、ジャンルとして「百合」が確立する前から、百合はアニメの中に隠されていました。
そういった百合作品には、名作が多いです。百合が認められないならば、その他の部分を面白くしてやれとばかりに特徴的な作品ばかり。
堂々と百合を表面に扱う今のアニメより、百合みに溢れてさえいます!
今日は、そういった百合の歴史を感じる百合アニメを年代順に紹介していきます。

そのあとに百合というジャンルが確立した現在の作品の中で、ぜひアニメ化して欲しい百合作品についても触れていこうと思います。
百合が定着しての一番大きな変化は「女の子同士の恋愛」がきっちり描かれるようになったことです。つまり、普通の恋愛漫画のような作品もアニメ化するようになりました。
女の子同士の三角関係や女の子同士だからこそ分かり会える繊細な部分。さらにはずるい部分まで、この頃の作品は描いてくれます。
百合好きは「女の子同士の感情の複雑さ」を楽しむ人が多いです。そこに焦点を当てた複雑な作品が多くなっています。
最後まで読んでから最初に戻ると、また違った視点で見ることができるでしょう。

おすすめ百合アニメ作品百合10選

1.少女革命ウテナ

百合アニメを語る上で外せないのが『少女革命ウテナ』になります。
1997年に放送された全39話の作品です。

こんな古いアニメを持ち出してき……と思った方、いますよね?
『少女革命ウテナ』は、独特の世界観で知名度抜群の作品。
けれど実際にすべてを見たことがある人は少ないのではないでしょうか。なぜならば、この作品、非常に難しいんです!

ウテナの一番有名な場面といえば「薔薇の花嫁を賭けた決闘」です。
学園モノのはずなのに、なぜか「薔薇の花嫁」であるアンシーを巡って決闘がおきます。
この決闘に勝った人物がアンシーとエンゲージできるわけです。
エンゲージすることで「世界を革命する力」を手に入れることがキャラクターたちの目的になります。

主人公であるウテナが「世界を革命する力」を手に入れるため、というよりアンシーのために決闘する姿は百合みにあふれています。
ウテナは男装の麗人です。そのウテナがアンシーのために、決闘をして勝利していくんですよ!
それだけじゃ終わらないのが「少女革命ウテナ」の難しさであり、一概に百合に走れない昔の作品の特徴です。
決闘のたびキャラクターが口にする有名なセリフ「世界を革命する力を」。これはアンシーを手に入れたもの(=エンゲージしたもの)が与えられると言われています。

でもね、この力、作中で具体的になることはないんです!

具体的じゃないものを巡って、みんな、それぞれに決闘しています。
その合間に、百合だったりやおいだったり、近親相姦だったり、濃すぎるキャラクターの内面が表面化します。
途中から個々人の理由の方が濃すぎて、段々目的がわからなくなってきますが、ウテナの戦いは続きます。
39話ある作品ですので、一度見ただけじゃ理解できない部分も。
何回も見返して自分なりに世界を構築できるのも、昔のアニメの楽しさですね。

とにかく、アンシーのために縦横無尽に走り回るウテナをお楽しみ下さい。

2.舞-HiME

『舞-HiME』は、ロボットアニメが有名なサンライズが中心となって作成された作品になります。
2004年にアニメが放送され、アニメ以外にも漫画やケームなど様々なメディアに展開されました。

『舞-HiME』は私立風華学園という学校を舞台に、チャイルドと呼ばれる守り神を持つHiMEたちの戦いを描いています。
アニメ版での主人公は「鴇羽舞衣」という少女で、彼女は「カグツチ」というチャイルドを召喚する能力に目覚めます。
しかし、このチャイルドには驚愕の事実が隠されていました。
チャイルドはHiMEにとって「もっとも大切な人」を代償に召喚するものだったのです!
つまりチャイルドを使った戦闘に敗れてチャイルドがいなくなると、HiMEの「一番大切な人」がいなくなります。なんと恐ろしいシステムなんでしょうか。
事実を知ってしまったHiMEたちが、それぞれにとる行動に心動かされるアニメです。

さて、この作品のどこを百合としておすすめしているかと言えば「HiMEたち」以外ありません!

HiMEといっているように、チャイルドを召喚できるのは少女ばかり。アニメ編だけでも12人のHiMEが登場します。
彼女たちが戦う理由はバラバラです。誰かを守るためだったり、復讐するためだったり、最強を示すためだったりします。
誰もが真剣に「自分の大切な人」を賭けて戦っている姿は、他のアニメで展開される戦闘とはまた違う緊迫感があります。

サンライズも「自分自身のHiMEを見つけてください」と言ってくるほど、キャラクターたちは個性的でそれぞれの背景がしっかりした作品です。
普通に見るだけでも十分楽しめるのが、この年代の百合アニメの特徴の一つでしょう。

12人も女の子がいれば、そりゃ色々起こります。
鉄板の同居をするHiMEたちもいれば、勝つためにHiMEを人質にとる子もいます。
スパイのようにコソコソしたり、裏から手を回したりと、一回見ただけでは把握しきれません。しかし、百合好きならば、触れないわけにはいかないキャラクターがいます。

百合の伝説「藤乃静留」さんです!

百合に慣れている人でなければ、百合を見つけにくい『舞-HiME』で、ぶっちぎりの百合キャラぶりを見せつけます。
その伝説っぷりは、この作品を見たことがない百合好きでも静留さんは知っているほどです。
彼女は戦闘の理由から大切人まで、全て同じHiMEである「なつき」が中心になっています。静留さんの「なつき命」っぷりに恐れおののいた百合好きも多いはず。

彼女の凄さは作品で存分に感じて欲しいのですが、忘れないでもらいたいのがキャラクターソング。
静留さんのキャラクターソングは「片恋艶花(かたこいえんか)」
タイトル通り、片思いの曲なんですが、曲ではあるんですが……内容がちょっと物騒です。
作品を見終わったあと、この曲を聞くと静留さんを表現しすぎていてびっくりします。
ぜひ、併せて楽しみたいところです。

3.Strawberry Panic(ストロベリー・パニック)

百合アニメ以外の表現がない『Strawberry Panic』ですが、アニメ版と小説・ゲーム版はかなり内容が違うというのは知られていないかもれません。
アニメ版しか知らない人には、ぜひ小説もおすすめしたいところ。
ゲーム版『Strawberry Panic』は好きなカップリング作成ゲームになっていますので、百合好きならば何度でも繰り返し楽しむことができますよ!

2006年に放送されたこの作品は、ある意味一番百合というものを端的に表現していました。話のあらすじとしては、まさに王道の少女漫画です。
主人公である「蒼井渚砂」が、聖ミアトル女学園に編入する場面からアニメは始まります。
編入早々、学園の憧れの的である「花園静馬」と出会い、なぜかキスされてしまいます。
女学園なのに一話から(というか出会ってすぐに)キスが差し込まれるという衝撃の展開!

今まで百合を匂わせるアニメは数あれど、ここまで展開の早いものはありません。
その後も渚砂と静馬に、渚砂のルームメイトである玉青を加えての三角関係が全編を通して展開されます。他の女学校も登場するのですが、そちらも恋愛事情中心のストーリー展開です。

そう『Strawberry Panic』は、女学生同士の恋愛をここまで赤裸々に描くかというほど描いた作品なんです!

その展開の速さと女の子ならではの恋愛のドロドロさは、この作品特有のもの。
百合作品の場合「三角関係」なんて、ほとんど発生しません。しかも、女二人×男じゃなくて、全部女の子!
こんな特殊な三角関係をまっすぐに描いた作品は『Strawberry Panic』だけです。

さらにこの作品に衝撃を与えたのが、エンディングテーマになります。
『Strawberry Panic』のエンディングは「秘密ドールズ」と「苺摘み物語」の2つ。
このどちらも、渚砂と玉青の声優である中原麻衣&清水愛の二人で歌われています。

アニメのエンディングを、キャラクターの声優さんが歌うのは珍しくありません。
けれど、『Strawberry Panic』は一味違います。
アニメのエンディングなのに、実写PVも一緒に流れるという仰天技を使いました。PVも非常に百合っている内容で、百合好きは釣られっぱなし状態に。
良くも悪くも印象に残る作品に仕上がったのです。

4.神無月の巫女

『神無月の巫女』は2004年に放送されたロボットアニメになります。
アニメ以外に漫画にもなっており、結末が違うところが論争を呼びました。(百合界隈で)
そして、このアニメはロボットアニメの王道の展開をぶった切る伝説を生みます。
百合好きならば語り尽くせない魅力を持つ『神無月の巫女』を一度は見てみてください。

『神無月の巫女』の主人公は少しドジで明るい女の子である「姫子」になります。もう一人の主人公である「千歌音」は彼女と同じ学校に通い、お嬢様として憧れの的になっています。
共通点が見当たらない二人ですが、ひっそりと学園では仲良く過ごしていました。
そんな二人の転機が16歳の誕生日に訪れます。(なんと、この二人同じ日が誕生日なのです!)
学園に突如出現した「オロチ」と呼ばれる怪物と、それを倒すため召喚された「アメノムラクモ」とともに「太陽の巫女」「月の巫女」であった二人は戦闘に巻き込まれていきます。

12話構成で序盤だけ見ると、まさに王道のロボットアニメです。
ヒロイン(姫子)とヒロインのライバル(千歌音)とヒーロー(大神)という三角関係が描かれます。
最初から姫子に千歌音がキスするシーンなんてものもありますが、この時代は百合好きには油断ならない時代。後々、大神が巻き返してくることは十分ありえたわけです。

しかし、『神無月の巫女』は百合好きの期待を裏切らずにストーリーが展開していきます。
度肝を抜かれるのは中盤でのシーンです。全年齢版アニメにもかかわらず、姫子の純潔が千歌音に奪われてしまいます。
ヒロインの純潔が奪われるなんて、普通ならば鬱展開です。
鬱展開のはずなのに、姫子はそこまで千歌音を責めていません。(というか、一番怒ったのは大神)
見ている人間の心境としては「いつかやるかも、とは思ってたんですが……まさか、本当にやるとは」と、犯罪者のインタビューに答える近所の人のようになってしまいます。

その後、前世からの因縁やら、千歌音が姫子を好きすぎる問題やら、色々出てきます。
ええ、百合好きとして一言でまとめられないほど、色々出てきます!
『神無月の巫女』は、地球を守るための戦いという隠れ蓑をかぶった、巫女同士の壮大な痴話喧嘩なのです。最終話では、姫子と千歌音の告白しながらの切り合いまであります。
「相手のために、自分を犠牲にできる」
そんな関係をずっと繰り返してきた巫女たちの生き様を見てください。

5.Candy boy

2000年代半ばになると、百合にも色々な作品が増えてきました。しかし、幸せな百合っぷるを見ることができる作品はまだ希少です。
そんな中、2007年の作品なのに始終イチャイチャしていたのが『Candy boy』です。
元々は短編アニメとして作成されており、その時のタイトルは『Candy☆Boy』。連載になってから星が取れております。

なぜ、短編アニメが連載化したか。
そんなの、出てくる百合ップルが可愛すぎたからですよ!
「知名度が低いけど見て欲しい百合作品」ランキングだったら、絶対に一位をとれる内容です。

主人公は双子の櫻井姉妹。水泳部の「雪乃」と美術部の「奏」がひたすらイチャイチャする日常生活を見ることができます。
北海道から東京の寮制の学校に進学しているのもポイント!
個室に二人きりだから、いつでも常にイチャイチャしているんですよ、この二人。ケンカやすれ違いも、すこーしありますが、ほとんど痴話喧嘩レベルです。

雪乃が奏に構って欲しくて頑張る日常がアニメの大方を占めております。
一応、姉なのは雪乃なんですが、いつも奏に構って欲しそうです。
愛情が目に見えて溢れていて、百合脳を持つ人間ならにやにやせずにはいられません。

対する奏は美術部所属で、どちらかといえば物静かな人物です。絵のデッサンを考えていたり、勉強机に向かっていたりと、考え事をしている時が多く描かれてます。
しかし、騙されてはいけません。クールな表情の下では雪乃にデレデレしています!
悩みの大部分が雪乃に関係しているんでしょう。たまに愛情が暴走して、雪乃で妄想した絵を書いてしまうなど、愛を極めている感があるキャラクターです。

短編では、ほぼこの二人しか出てきませんでした。連載化されたことで、さらに魅力的な登場人物たちが加わります。
奏を大好きな雪乃の後輩「咲夜」と、奏と雪乃の妹である「雫」です。
このアニメ、普通の世界を設定にしているのに見事に女の子を好きな人間しか出てこない!
咲夜のストーカーに足を突っ込んだ奏好きは、足りなかった百合分を溢れさせてくれます。
妹の雫は、大好きなお姉ちゃんたちがいなくなって不登校気味になっています。それなのに雪乃と奏の仲には賛成しているという不思議な関係。

見れば見るほど百合みに溢れている『Candy Boy』。見逃すと大変ですよ。

6.咲

2006年から連載を開始し、今現在も話題を振りまいている作品です。
原作である『咲』も『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』『咲日和』『シノハユ the dawn of age』『立-Ritz-』などスピンオフから番外編まで多種多様です。
アニメ化も何度もされました。実写化までされたのは、『咲』くらいでしょう。
何かと話題に困らない『咲』の魅力を改めて振り返ります。

『咲』が最初にアニメ化されたのは2009年なります。
特徴的なのは、まず世界観です。『咲』の世界では、麻雀は一種の知的スポーツ!
将棋や囲碁と同じような扱いということです。
そのため学校に部活として存在するし、全国の猛者が集まるインターハイもあります。麻雀自体がもっとメジャーな世界なので、家族で楽しむ場面もそこかしこ登場するんです。

そんな世界で、麻雀をしなくなった少女「宮永 咲」が主人公です。
彼女が清澄高校に入り、ひょんなことから麻雀部で麻雀を打つことに。麻雀を家族としかしたことがなかった咲には特殊能力がありました。
その麻雀力を武器に咲がインターハイを目指すのが基本的なストーリーです。

『咲』の一番の特徴といえば、雀士がほとんど女の子なところ!
男女比率がよほど偏っているのでしょう。男も存在するのですが、紙面に出てくるのはほとんど女の子です。その上、作者である小林先生の発言では、咲では同性婚OKな上、子供まで作れるとのこと!
麻雀の面白さに隠れていますが、百合度は非常に高い作品です。

登場しているキャラクターの中でも、百合を期待できる組み合わせは多々登場します。
まず特殊な上がり方をする咲に対して、徹底的に合理的な打ち方をする「和」がライバル兼ヒロインポジションにいます。
この二人は少女漫画よろしく、麻雀を通して仲を深めていきます。
アニメのエンディングで流れる『残酷な願いの中で』は、麻雀アニメだなんて微塵も感じさせない作りに。

というのも、このエンディング曲、咲と和が向かい合って寝てるんですよ。

「なぜ?」とか考えてはいけません。
麻雀の要素を一切ぶった切った、百合好きへのご褒美としか思えない曲です。
この曲を咲と和の二人に歌わせるんですから、間違いなく狙っています。

咲たちが通う清澄高校以外にも、たくさんの高校と女子高生。そして、百合にしか見えない組み合わせが登場します。
麻雀を知らない人でも楽しめる百合アニメです!

7.桜trick

毎話、女の子同士がキスをするという衝撃的な作品『桜trick』
2011年から連載され、2014年にはアニメが放送されました。
いやはや、この内容のアニメが放送されることに「時代が百合を受け入れ始めた」と感動したものです。

ここらへんから、大分百合に軸を置いた作品がアニメとして放送され始めます。
今までのアニメでは百合はあくまで添え物。メインテーマは別にあることが多かったです。
しかし、この時期から百合がド真ん中に置かれる作品が増え始めました。その代表が『桜trick』です。

主人公は高山春香と園田優の二人。この二人が百合ップルすぎて……コメントが難しい!
春香は優等生タイプのキャラクターです。初めてできた友達である優のことが大好きで、クラスの席が離れただけでショックを受けます。
この時点で百合の匂い満載です。友達と席が離れただけでショックを受けるって、よほどですよね。

これに対して優は人当たりが良い明るいキャラクター。
人付き合いが上手いので友達もどんどんできます。そんな優の状態を見ていて面白くなかったのが春香です。
まぁ、席が離れてショックを受ける人間にとって、親友が自分以外と話しているのも気に食わないわけです。いわゆる独占欲が毎話現れるのも『桜trick』の恐ろしいところ。

この独占欲を満たすために春香が「特別なことをしよう」と提案します。
それこそが『桜trick』の代名詞ともいえる「毎話女の子同士がキスするアニメ」につながるわけです!

「そんなん、ただの表面的な感情やないか!」とツッコミを入れたくなるでしょう。世の中には、女の子同士がキスしているだけで満たされる百合好きもいます。
やはり「特別なこと」をするんだったら「特別な感情」が根底にほしいところ。
『桜trick』はこの部分もきちんとフォローしています。

話が進むに連れ、春香と優の関係性も変化していきます。
春香たち以外にも同居しているコトネやしずくといったキャラクターも登場。それぞれが関係性を深めていく様子は、緩く見えて深い百合を感じさせます。
春香が抱くのが「ただの独占欲」なのか、それともそれ以上のものなのか。
緩い百合から始まって、奥深さを感じさせてくれる作品です。

8.終末のイゼッタ

百合と戦争は相性が悪い?
いいえ、そんなことはありません。
2016年に放送された『終末のイゼッタ』を見れば、そんな認識は遥か彼方に飛んでいってしまいます。

百合といえば、学園モノ。百合といえば、特殊な閉鎖空間で生まれるモノ。
そんな風に見られていた時期もありました。
特に歴史と百合を組み合わせるなんて、簡単にできることではありません。
それをやってのけたのが『終末のイゼッタ』です。

「歴史物×ファンタジー×百合」という素晴らしい組み合わせでアニメを作ってくれました。原作漫画などは存在しないオリジナルアニメになります。
毎回次の話がどうなるのだろうと、ワクワクドキドキしたのは久しぶりの体験でした。

『終末のイゼッタ』は第二次世界大戦時のヨーロッパに酷似した世界を舞台としています。
第二次世界大戦とか、百合とは正反対の空間です。活躍するのも男たちばかりのはず。
そこを乗り越え、ファンタジー要素まで加えたのが、『終末のイゼッタ』の凄さでもあります。

タイトルにもなっている「イゼッタ」は、なんと魔女です。
ヨーロッパと魔女と聞くと思い出すのは「魔女狩り」ですよね。イゼッタも小さい頃、住んでいた村で迫害を受けた経験があります。
その時、体を張って助けてくれたのが、もう一人の主人公である「フィーネ」です。彼女はエイルシュタット公国の公女という立場でありながら、傷を負ってまでイゼッタを助けます。
ええ、小さい頃からイゼッタとフィーネの間には強い絆があったのです。

話の中心は第二次世界大戦頃のエイルシュタットです。
エイルシュタットは小さな国で、周りの国から狙われています。もう15歳になり祖国を助けるために動くフィーネをイゼッタが魔法の力で助けます。
「なんだ、ただの主従関係じゃん」と思ったら、大間違い!
主従関係には主従関係の良さがありますが、この二人はそれを大幅に超えています。

元々が上で書いたように小さい頃からの絆がある上、エイルシュタットには「白き魔女の伝説」があります。遠い昔、白き魔女がエイルシュタットを救ってくれたというお話です。
戦争で苦しむ中、そんな存在が来てくれたら国民大喜びですよ。
フィーネもイゼッタは「白き魔女の再来」と信じている部分があります。普通の王女だったら、うまく利用するだけ利用するところです。ところがフィーネはイゼッタが大切なあまり、途中で後悔し始めます。

「イゼッタを戦闘に巻き込んだのは私だ」と。

イゼッタはフィーネが大切で、大好きです。そのため、色々頑張りすぎます。
怪我しても、無理しても、戦い続けるイゼッタに、フィーネが心苦しくなるのは必然です。
それに対してイゼッタが「二人で始めたことは二人で終わらせよう」と答えるなんて……もう、尊さが爆発してます。

12話で綺麗に終わりを迎えているのもポイントが高いです。
毎話楽しみ、イゼッタとフィーネの絆に涙できる、そんなステキなアニメになっています。

9.小林さんちのメイドラゴン

2017年にアニメが放送された『小林さんちのメイドラゴン』
百合好きのみならず、アニメ好きからも注目を集めた作品です。というのも、『小林さんちのメイドラゴン』は、「人間」と「ドラゴン」の異種族コミュニケーションに踏み込んだからなんです。

我らが人間側の主人公は「小林さん」です。
システムエンジニアとして、普通にブラック企業で働いてます。
そんな小林さんが、ある日、酔った状態で山に迷い込み、ドラゴンを助けます。そのドラゴンこそ「トール」でした。
酔った勢いでドラゴン相手に自分の趣味である「メイド」について語った結果、恩を感じたトールはメイド姿で小林さんちを訪ねることに。
これにより「メイドラゴン」が誕生するわけです。

「ただのドラゴンが擬人化してメイドになっただけでしょ?」などと思ってはいけません!

『小林さんちのメイドラゴン』は人間社会の面倒くさい部分に踏み込んでくれています。
ドラゴンたちからすれば人間を下等種族です。ちょっとしたことで死ぬし、すぐにいなくなります。そういう認識がドラゴンにはあります。
まぁ、登場するドラゴンたちの優秀さからみれば、それも仕方ありません。
それでも、彼女たちは人間の社会を尊重し、溶け込もうとしています。色々世知辛くなってきた世の中に必要なのは、きっとこういう寛容さなんだろうなぁと思える作品です。

百合ポイントが高いのは「トールの小林さんへの愛情」と「小林さんの懐の深さ」です。
トールは最初の出会いから小林さんへ多大なる恩を感じています。その後、メイドとして小林さんへ献身的に尽くします。
作中でも「種族や性別を超えた愛情」を抱いており、性交の機会すら窺っている場面が登場するほどです。
なんて恐ろしい子……!

また、トールの小林さん一直線が目立ちますが、小林さんの度量もかなりのものです。
トールの父親である「終焉帝」は、見た目も迫力もおっかないドラゴンの王様です。娘のトールを連れ戻しに小林さんの前に表れます。
普通、逃げますよ。
ドラゴンってだけでも怖いのに、その王様みたいな存在です。そんな存在に「いつでも殺せる」と脅されるんですよ。逃げてもおかしくない場面で、小林さんは一歩も引きませんでした。
まるで普通の親子喧嘩を止めるように、トールを守り、この世界にいられるように説得します。
引かない小林さんとトールから向けられる殺気に、終焉帝も諦めます。感動的なシーンです。
感動的なシーンなんですが、「結婚前の娘さんをください」に見えてしまった私もいます。
感動しながらニヤニヤできる、そんな貴重な百合アニメです!

10.Citrus

ここ最近の百合アニメで触れないわけにはいかないのが『Citrus』でしょう。
『Citrus』は、義姉妹として出会った柚子と芽衣の恋模様をずばり直球で描いた作品になります。
他の要素は何もなし!
ひたすら女の子同士の恋愛を描いた作品が、30分12話のアニメになった記念すべき作品であります。

内容も義姉妹百合漫画の金字塔と言えるでしょう。
親の再婚により義姉妹となった正反対の二人が、時にぶつかり、時に絆を深めながら話は進んでいきます。
まさしく恋愛マンガの王道を貫くストーリー展開になっています。

ギャルの柚子は今まで恋をしたことがない純情な女の子。周りの友達はすでに恋愛をしている人がほとんどなので、早く恋をしなきゃと焦っています。
そんな柚子が転校先の学校で出会うのが芽衣です。
芽衣は学園を運営する良家のお嬢様で、さらには生徒会長をつとめる優等生。その上、もう家の決めた婚約者がいるんです!
自分のことは表に出さず、家のためだけに生きているように見えてしまう芽衣に柚子はイライラします。

衝撃的なのは、芽衣と婚約者のキスシーンまで描かれているところ。
百合作品において男とのキスシーンがあるのは異例です。
ですが、その異例のシーンを含ませることで、Citrusは今までの百合アニメにはないリアルさと夢を手に入れることができました。
現実世界では、異性と恋愛する人間の方が多数存在します。そことの関係を切ってから結ばれることで、百合好きの心をくすぐる展開になるのです。

また柚子は感情が表面に出やすく、非常にわかりやすいキャラクターとして描かれています。
彼女が芽衣のために奮闘し、恋愛に一喜一憂する姿に心を動かされます。
柚子の一生懸命さに影響を受ける人間は数多くいて、その変化がストーリーになっている作品とも言えますね。

ちなみにアニメで描かれているのは出会いから修学旅行までです。
この区切りもまた良し!
修学旅行編までの間で、柚子と芽衣の強くなっていく絆を感じることができると思います。
実際、恋人同士になれるかがかかる修学旅行編ですので、ドキマギすること間違いなしです。
きっちりハッピーエンドなので、ご安心を。
漫画では10巻で完結しているので、続きが気になる方はそちらも見てみて下さい。

アニメ化して欲しい百合作品5選

1.ふたりべや

さて、アニメ化して欲しい百合作品。
百合作品が増えてきたせいで、絞り込めていません!
その中でも一番アニメ化できるんじゃないかな?と思っているのが『ふたりべや』です。

まずこの作品、作風が緩い!
寮制の学校で出会った「桜子」と「かすみ」が話の主人公になります。
学校の日常生活を細やかに描いているので、アニメ化しても楽しめるでしょう。漫画も現在6巻まで発売されています。高校編はきちっと終わっているのも、アニメ化に向いていると感じる部分です。

漫画の形式が4コマ漫画なので、そこをどうするかが最大の問題です。
まぁ、番外編やたまにストーリーが続く4コマがあるのを見る限り大丈夫でしょう。
一年生から三年生まで、季節を通じて繰り広げられる二人のやり取りに癒やされるアニメになること請け合いです。

何より私が動いている桜子とかすみを見たい!
かすみは作中から美少女として描かれています。それが動くとなると、どんな天使になるのか、気になってしょうがありません。
そんな天使が、暑さに弱くてボンヤリしているなんて眼福です。

その上、桜子も、学校が始まる前の休みで教科書の内容をすべて覚えてしまう天才肌。
漫画内では、もはやかすみのお世話をするために生きているようにさえ見えます。
いつも嬉々としてかすみのお世話をする桜子をアニメでも見たいところです。

2.姫のためなら死ねる

歴史×百合の名作として『終末のイゼッタ』を紹介しました。
歴史という難しいジャンルを百合の雰囲気で上手にコーティングした作品です。
また違う歴史×百合を見せてくれそうなのが『姫のためなら死ねる』になります。

タイトルからして「姫」のためなら死ねるですから。
姫のために頑張る清少納言さんが主人公ですよ。清少納言といえば「枕草子」で、知られる平安時代の女房です。
仕えた主=姫は「定子」さま。帝の奥さんである中宮という、とても偉い人です。

歴史上の清少納言と定子さまの関係は枕草子から伺うことができます。
どうやら二人は結構仲が良かったらしい。まぁ、史実に従えば、二人共、結婚しているし子供もいます。
でもね、この『姫のためなら死ねる』は、そんな史実なんてすべてを吹っ飛ばしてくれる百合の嵐なんです!

まず、清少納言と定子さまの出会いの場面がツボ。
この清少納言、引きこもり設定なんですが、定子さまの私的な家庭教師になるため面接に来ます。
すると、そこで出会った定子さまに一目惚れ。
タイトル通り『姫のためなら死ねる』状態になるのです。あの枕草子の裏にこんなことがあったかもしれないと思うだけで、古典の授業が楽しくなります。

さらに、この作品は百合コメディだということを忘れてはいけません。
元引きこもりのくせに、歌集は全部暗記しているような天才「清少納言」が巻き起こす事件は想像を超えます。
清少納言の定子さま命っぷりをアニメでも見たいところです。

歴史上では、同じ時間帯には存在していない「紫式部」と「彰子」の二人組も存在します。
「源氏物語」の作者である紫式部と清少納言のやり取りなんて、想像するだけでワクワクしますよね。
平安時代のスーパースター「藤原道長」も登場しますし、陰陽師だって色々やります。
漫画でも十分面白いこの作品が、アニメ化されたら多数の百合好きを生むことでしょう。

3.熱帯魚は雪に焦がれる

アニメ化した百合作品を見て何か気づいたことはありますか?
――最初の頃から、最近になるほど、百合がメイン扱いになっている?
――百合にも色々なジャンルが増えてきた?
――百合だけでアニメができるようになる?

そのどれもが正解です!
百合はジャンルとして、まだ広がりを見せ始めたばかり。それでも、Citrusがアニメ化するなど、百合作品のアニメ化はかなり現実のものになってきています。
多様性を見せ始めた百合ですが、その中でも王道の作品が『熱帯魚は雪に焦がれる』です。

この話、世にも珍しい「水族館部」の話なんです!
東京から田舎の高校へと転校してきた「天野小夏」は、少し引っ込み思案なところがある女の子です。初めての田舎にどうにも馴染めない小夏ですが、小夏が転校してきた七浜高校には「水族館部」という部活がありました。
たまに一般公開される水族館部で、部員である「帆波小雪」と出会ってから、小夏の生活は少しずつ変化を迎えます。

もうね、この時点で鋭い方ならお気づきでしょう。
タイトルが『熱帯魚は雪に焦がれる』。登場人物の名前は「小夏」と「小雪」。
期待せずにはいられません!

あらすじだけみても、王道の学園百合の匂いがします。
一人田舎に転校してきた女の子とそこで憧れの先輩として扱われる先輩。お互いしか知らない部分ができて、徐々に特別になっていく……!
「これぞ、王道の百合です」と主張しているような作品です。

しかし、『熱帯魚は雪に焦がれる』は、そんな既存の作品路線をなぞるだけでは終わりません。
憧れの先輩である小雪の孤独を、水族館部にいるオオサンショウウオに例えて表現しています。
今までなら後輩である小夏の孤独を救う展開になるところです。それを逆に先輩である小雪の孤独を小夏が救うストーリーにしているのが興味深い。
また、それぞれが動き出したことで、さらに違う人間関係が広がっていきます。
百合としてだけじゃなく、青春アニメとしても十分楽しめるスペックをもった作品です!

4.たとえとどかぬ糸だとしても

百合というジャンルが増えるにつれて、複雑な関係を描く作品も増えてきました。
学生時代の閉じられた環境から始まった女の子同士の関係は、思春期を飛び越え社会人まで広がりました。
その後、おねロリやら、異種族やら、ありえないような組み合わせを描き始めます。
百合というジャンルに共通して言えるのは「秘密」です。女の子同士、二人だけの「秘密の関係」が百合の基本形にあります。
そこをうまーく利用して、日常の誰にでも起こりうる「片思い」を描いたのが『たとえとどかぬ糸だとしても』です。

『たとえとどかぬ糸だとしても』は兄のお嫁さんである薫瑠に恋をする少女「ウタ」が主人公の作品です。
その始まりも衝撃的。兄の結婚式で、失恋した場面から話は始まります。

兄の嫁である薫瑠は、ウタにとっても昔から遊んでくれる大好きなお姉さんでした。
ウタはこの大好きという気持ちが恋だと、結婚式という一番輝かしくて、手が届かなくなる瞬間に思い知ってしまうのです。その瞬間から、彼女の手遅れの片思いは始まります。

「届かない」「手遅れ」「結ばれない」などは、百合が片思いで終わる時代の常套句でした。
数多くの百合好きが、そういって離れ離れになる百合カップルを見てきたはずです。
百合とは二人の秘密の関係であると同時に、両思いになりにくい部分が多く含まれています。
お互いに思い合っていた幼馴染でも、ぽっとでのヒーローにさらわれ、百合を望んでいた百合好きは涙してきました。

しかし、今の時代になると、女の子同士であっても結ばれる可能性がかなり大きくなっています!
百合好きには「ひゃっほー!」という感じの嬉しい時代です。その分、片思いの重さや悲壮さが薄れたように感じられるのが難しいところ。

『たとえとどかぬ糸だとしても』は、その一昔前の絶対結ばれない百合を思い出させてくれる作品です。
なぜなら、相手は実の兄のお嫁さん。その上、新婚でラブラブな部分を毎日見せつけられます。(ウタは兄夫婦の家に居候しています)
「好きになってはいけない相手を好きになってしまった」「絶対、結ばれることはない」と、切ない百合好きのツボをブスブスと刺激してくる内容です。
普通の百合好きだけではなく、報われない恋や切ない物語が好きな人だったら、絶対に楽しめます。

義姉妹同士の百合である「Citrus」がアニメ化できるくらいだから、『たとえとどかぬ糸だとしても』もアニメ化できるはず!
そして、アニメ化されたら絶対に画面の前で正座して拝見します。
ウタの切なくて、揺れ動く恋心をじっと見守りましょう。

5.新米姉妹のふたりごはん

この頃、料理関係の作品が増えてきました。
人間の三大欲求の一つである「食欲」は、現代人が唯一守れている欲望のひとつなのかも知れません。
どんなに落ち込んでいても、美味しい食べ物を食べると元気が出ます。
人間って複雑なようで、単純な部分も残っているんですね。

そんな「ご飯」を扱った作品に百合風味が追加されれば、百合好きとして注目しないわけにはいかない!

『新米姉妹のふたりご飯』は、親の再婚で義姉妹になった二人が料理を通して絆を深めていく様子を描いた作品になります。
姉妹といっても同い年の二人「サチ」と「あやり」が主人公で、彼女たちの周りの女の子たちもたくさん登場します。
サチは食べるのが大好きな女の子、あやりは料理が大好きな女の子として描かれています。
再婚した父親と母親は、一緒に出張で世界を回っているので、家にいるのは二人だけです。

1話では、まだ打ち解けていない二人が一緒に料理をつくることで壁がなくなる様子を描いています。
正反対の性格をしているサチとあやりが、料理を通して徐々に絆を深めていく様子は百合心をくすぐってきますよ!
何より、毎回一つの料理に焦点が当てられるので、見ているだけでお腹が空いてきます(笑)
これがアニメ化されたら、間違いなく「飯テロ」される作品になることでしょう。

そして、サチとあやり以外にも百合要素が含まれているのも注目しどころです。
サチには幼馴染である「絵梨」がいて、この二人の距離感が良い百合の匂いを醸し出しています。
最初、サチはあやりとどう距離を縮めればいいのか悩んでいました。
そこを絵梨が優しくサポートしてあげています。学校にあんな優しい親友がいるなんて、サチが羨ましくなるほどです。
料理によって徐々に距離を縮める二人に、少し寂しくなってしまうところなんて百合みに満ちていてガッツポーズをしそうになりました。

毎回紹介される美味しそうな料理と、徐々に縮まる新米姉妹の距離。
そこに加えて、料理が人の絆をつないでくれる素晴らしいものだと認識できる作品です。
何より紹介されるご飯は私達でも作れそうなものばかり。
これを機に料理に目覚めてみるのも面白いかも知れません!

まとめ

ざっと年代別に見て欲しい百合アニメと、アニメ化して欲しい百合作品を紹介しました。
こうやって年代別に見ていくと、百合が定着していくのが目に見えていくような流れを感じます。あくまで脇の存在だった百合が徐々に中心になっていくのは百合好きとして嬉しい限りです。

もちろん、ここで取り上げていないアニメ作品の中にも百合は存分に含まれています。
昔から百合を応援している人にとっては、「なぜあの作品が入っていないんだ!」となることでしょう。私自身、もっと入れたい作品はありました。
しかし、百合作品を見る上で「カップリングがあるか」だけに留まってはいけないと思います。百合を感じさせる二人組だけに絞れば、アニメ作品はもっともっともっと増えます。
それでもこの作品たちに絞ったのは、百合が作品の焦点になっているかを基準にしました。
世界観に百合が欠かせない作品こそ、百合作品と呼ばれるべきでしょう。

アニメ化して欲しい作品では、複雑化してきている百合を存分に楽しめるものを紹介しました。
今の百合作品は「百合か、そうじゃないか」というレベルじゃなく、「百合の中でも、この部分!」という特徴を持っています。
それらを存分に楽しめるように、様々なものを紹介したつもりです。
こうやっているうちにも、新しい百合作品が生まれる昨今。
このまま百合が盛り上がってくれることを祈っています。