永遠のテーマ「復讐」を描いた作品
漫画にはいろいろなテーマがありますけれど、いつもほんわかしたテーマの作品ばかりを読んでいると、物足りなくなってくるかもしれません。そんな時におすすめの漫画は、2018年の話題作でもあった「夢で見たあの子のために」です。この作品は、復讐のために自分の人生をささげる中条千里という主人公の人生を描いた作品ですが、軽く読み流すことができないほど、けっこうヘビーな内容となっています。ヒューマンサスペンスを漫画にすると、こういう内容になるのかな、とページをめくるごとに考えさせられてしまう作品ですね。
復讐のためだけに生きる主人公
主人公の千里は、子供の頃に家族を惨殺されたというつらい過去を持っています。そして、その事件の犯人に復讐を果たすことだけに意識を注いで生きている女性です。自分が汚れる事なんて全く気にすることなく、学校の全て、そして生活の全てを復讐という目的のために計画的に一つ一つのパズルを作り上げていくような、読み進めれば読み進めるほど背筋が凍りそうな恐怖を感じる事でしょう。自分の身の回りに、千里のように氷の心を盛る人がいなくてホッとしている人もいるかもしれませんよね。
そんな千里には、幼馴染がいます。そして、幼馴染はやはり千里が心配なわけで、あの手この手で彼女の生き方や考え方を変えようと試行錯誤するわけですが、なかなかうまくいきません。読んでいる読者にとっても、モヤモヤするポイントは多いですよね。
時間をかけてじっくり読める作品かも
「夢で見たあの子のために」は、2019年1月時点ではまだ最初の数巻しか発行されていない現在進行形の作品です。コミック自体の時間軸の流れがゆっくりなので、ダイナミックにストーリーが展開し始めてストーリーの全体を把握できるのは、4巻とか5巻ぐらいに入ってからかもしれないな、と感じる読者が多いですね。漫画を読むなら既に完結している作品を一気読みしたいという人にとっては、新刊が発行されるまでの待ち時間が結構あるでしょうから、すこしイライラしてしまうかもしれませんけれど、待つ楽しさとか、待っている間にストーリーの行方を妄想しながらワクワクする楽しみなどを味わうことができる作品と言えるでしょう。「夢で見たあの子のために」は2018年の話題作でしたが、2019年も注目を集めることになる作品だということは、最初の2巻を読んだ時点ですでに大ヒットの風格を醸し出している点からも分かるでしょう。
